いじめ防止基本方針
1.本校の基本方針
本校の建学の精神はキリスト教であり、そのスクールモットーは「Hands and hearts are trained to serve both man below and God above.」である。よって、本校は、神様の御旨にかなう公平・公正、平和で豊かな社会を実現させるために奉仕する力を身に着けるための鍛錬の場所である。
そして、神様によって集められた本校生徒たちは協働する仲間であり、その仲間に対する「いじめ」は神様の御心に真っ向から対立するものである。ここでいう「いじめ」とは、本人が精神的・物理的苦痛を感じる行為、または、本人が苦痛と感じていない場合でも、周囲の第三者が精神的・物理的苦痛、または不快感を持つ行為である。
2.基本的な考えかた
「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。」(創世記1:27)、また「愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。」(ヨハネの手紙一4:11)と聖書にあるように、全ての人間は、神様の意志・御旨をこの社会において実現するようにと、神様から固有の命と名前を与えられたかけがえのない存在であり、神様に愛されている存在である。このことから「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」(マタイによる福音書22章39節)という聖書の言葉の実践として、神様に愛されている自覚を持ちながら他者もまた神様に愛されている存在であるという認識を持ち、神様から与えられた使命を全うすべく努力する自分を慈しみ、他者に対しても自らに対するのと同様に、使命に対する努力者であり神様に愛されている存在として尊重することができる人間になることを目指して、本学院では日々の教育活動を行っている。自己中心に1生きるのではなく他者中心に生きることの大切さを自覚させ、全ての生徒とその家族、教職員の一人ひとりが大切にされ、また他者を尊重することができるように「いじめ」が発生しない風土を学内に醸成すべく努力し続ける。「いじめ」に繋がるような関係性の悪化を早期発見できるよう恒常的に「いじめ」問題と向き合い、「いじめ」を認知した場合には適切かつ迅速に解決するために、「いじめ防止対策推進法第11条」に基づき、「兵庫県いじめ防止基本方針」に従って本学院の「いじめ防止基本方針」を定める。
教職員は、このキリスト教の人間観を常に忘れず、生徒一人ひとりを十分に理解するように努め、学校生活や家庭生活の状況を敏感に把握し、生徒の微妙な変化に対応していくことが肝要である。一方で、自我を確立し、他者との協力関係を学ぶ時期にある思春期の生徒は、その成長の過程で様々な困難に直面し、ときに「問題行動」や「いじめ」を起こすことがある。学校生活の全ての場面において「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(ローマの信徒への手紙12章15節)という聖書の教えを実践できる心を育てていくとともに、他者の尊厳を踏みにじる行為を許さない学校であり続けるために、以下の体制を構築し取り組みを行う。
3.いじめ防止等指導体制・組織的対応
- 日常の指導体制
日頃から我々は啓明ファミリーであるという自覚を養い、教職員間・生徒間にあって、友と交わることを大切にし、お互いに挨拶をするという学校の空気と習慣を育ててきた。さらに、人間関係・社会関係における自覚を深めるため、毎日行われる礼拝や聖書・キリスト教学の授業において、また本校の大きな特色となっているキャンプをはじめとする多彩な共同生活行事において、「自分を大切にし、他者を大切にする」精神を養うよう指導する。生徒の出席状況等については、定例の校務運営委員会や職員会議における「生徒状況報告」により全教職員が共有し、更にきめ細かな指導を行う。いじめ防止等の指導や対策2を実効的に行うため、校長・副校長・中学教頭・高校教頭・基幹教育部長・キリスト教教育運営課長・生徒課長・養護教諭・学校カウンセラー・学年主任で構成される、常設の「いじめ対策委員会」を設置し全学的に取り組む体制を構築する。 - 未然防止及び早期発見のための指導計画
いじめは、教室において、クラブ活動において、またネット上において、教職員や大人が気づきにくいところで行われ、顕在化しにくいことを認識し、教職員は常に生徒に近いところで生徒に寄り添うことを心掛け、生徒の毎日の変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期に発見するよう努める。学年を中心にして、教育相談等で把握した情報を生徒課とも連絡・連携を密にして共有し、生徒の現状と変化を的確に捉えた個別の対応を行うとともに、報告を受けた「いじめ対策委員会」が包括的な取り組みの方針を決定し対応を行う。教職員は、校内外の研修に参加し、研鑽を積み資質の向上に努める。 - いじめを認知した際の組織的対応
いじめの可能性がある事実を認知した教職員は、直ちにクラス担任・学年主任に知らせ、学年団が中心となって、基幹教育部やクラブ顧問等の関係教職員と連携をとりながら、学年会議を招集し、情報の収集、事情の聴取、事実の確認を行う。この際、事実の記録と情報の共有を怠ってはならない。そして、共有された情報により、いじめが明らかになった場合、基幹教育部長は直ちに校長・副校長・教頭に報告し、校長は「いじめ対策委員会」を招集して解決に向けた方針を迅速に決定し、関係生徒の指導、保護、関係の改善に向けた対応を指示、実行する。

4.重大事態への対応
- 重大事態とは
「いじめにより、生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるとき」については、年間30日を目安とする。ただし、その日数以内でも生徒の出席状況が不安定になり始めたときには、適切に調査し校長が判断する。また、生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときは、校長が判断し適切に対応する。 - 重大事態への対応
校長が重大事態と判断した場合には、直ちに県私立学校所管部局に報告するとともに、校長の主導のもと、「いじめ対策委員会」が事態の解決にあたる。この際、事態の内容によっては校長の判断で、「いじめ対策委員会」に専門的知識及び経験を有する外部の専門家を加えることがある。
※上記基本方針は2014年に策定し、2025年4月1日に改訂したものである。