KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

Summer Project 始動

2021年7月1日

昨年に引き続き、今年も学校主催の海外プログラムはすべて中止せざるを得ない状況にあります。毎夏行っているイギリス語学研修は、ロンドン大学でのプログラムの2回目となる予定でしたが、残念ながら開催は適いません。

また英語科の渡邉先生と共に企画し、一昨年現地調整を終え、計画発表をした段階で中止となった、アメリカ・テキサス州ダラスにあるサザンメソジスト大学での研修とミシシッピー州パールリバーにあるランバス先生の出身教会訪問も、当然今年の訪問は適いません。

他にもミャンマーやインド、オーストラリアなど、年間を通して実施してきた海外プログラムも、まだしばらくは再開することは難しい状況でしょう。

 

そのような中、私たちもただ手をこまねいているだけではいられません。ある日の職員会議で、こんな時だからこそ、皆で知恵を寄せ合い、高校生向けの今夏のチャレンジプログラムを作りませんか、と呼びかけたところ、多数の先生方がいろいろと面白い提案をしてくれました。それを「サマープロジェクト2021」として実施することにしました。実はもう少し企画数はあったのですが、やはり宿泊を伴うものや企業訪問などについては、実施することが難しいと判断しました。それでも実施可能な企画については、内容を検討しながら計画を進め、すでに6月30日に生徒たちに要項を配布し、募集を始めています。

 

今回、募集している企画は全部で7つです。

 

「多文化協働学習」は、5日間フィリピンの現地校とネットでつなぎ、英語でコミュニケーションを取りながら、問題解決をしたり、相互理解を深めたりするものです。オンライン英会話とは異なり、教えてもらう立場に置かれるのではなく、同世代の仲間達と交わり、協力しあいながら、SDGsを通して共通課題を考える機会です。海外での語学研修が出来ない今、ぜひ生徒たちにはチャレンジして欲しいプログラムです。

 

「啓明ヒストリーウォーク」は、聖書科の先生を案内役に、神戸の地に建てられた啓明の歴史に触れるフィールドワークです。神戸の街に残された、様々な啓明の足跡を探りながら、面白い出会いと新しい発見が必ずあることでしょう。

 

「名画・名作 啓明百選 選定」は、啓明生が読むべき本、観るべき映画のベスト100を選ぼう、というものです。自分のお気に入りをお勧めしたり、勧められたり。そこでの出会いと学びは、自分自身を作る新しい扉を開いてくれることでしょう。

 

「淡路を巡るスケッチ旅行」は、淡路島にある安藤建築を巡ったり、自然スケッチや美術館訪問など、アートに溢れたプログラムです。淡路島の魅力を再発見する機会ともなれば嬉しいです。

 

「瀬戸内海フィッシング」は、釣り好きの西畑先生の企画です。当初は船をチャーターすることを想定していましたが、明石にある海上釣り堀で、安全に(確実に?)釣果を狙います。

 

「ゆかた制作と着付け」は、生活研究科の先生指導の下、制作から着付け、夕涼みまで経験する予定です。自分の手で創り出す喜びはもちろんのこと、夏祭りもままならない中、夏らしい経験をしてくれればと願います。

 

「神戸異文化宗教散策」は、国際都市神戸ならではの企画です。キリスト教はもとより、イスラム教・ユダヤ教などの宗教施設を巡りながら、異文化に触れる大きな発見の一日としたいと思います。

 

今夏、中学生には前島オリエンテーションや青島1日キャンプがあるのですが、高校生向きのプログラムが少ないので、高校生の皆さんには是非この機会を活かし、楽しく、深い経験をしてくれればと願います。

 

残念ながら、私が提案した「東京DX企業訪問・工場見学」や「前島ワーク」「WHO訪問」などは実施が適わなかったのですが、今回募集するいずれの企画も先生達と練り上げて計画をしてきました。それは先生達が普段から生徒たちとしてみたかったことでもあるでしょうし、私たちの足下にも魅力ある、深く学べる場所やものがあることを再発見する機会でもありました。

私はそのようなプログラムを考える前向きな先生達の姿勢が、チャレンジを合い言葉とする、啓明生のお手本ともなれば嬉しいな、とも思い、最初の提案をしました。自分で手を挙げて参加する生徒たちが、このプログラムを通して、どのような成長を見せてくれるか、今夏の楽しみが一つ増えました。

 

 

指宿 力