KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

明星祭を終えて

2021年11月18日

先週末行われた明星祭では、生徒たちが本当に楽しくて仕方ない、という姿を何度も観ることができました。舞台において表現者としての魅力を十分に感じさせてくれたり、模擬店で楽しそうに過ごしていたり、一人一人が本当に活き活きと学校行事を楽しんでいる様子に、本当に文化祭を開催できて良かったと思えました。

 

去年は感染症対策の一環として、演技発表は文化ホールで行いました。また校内では模擬店を中止し、オンラインのみでの学内文化祭としました。今年も計画を始めた年度当初から厳しい感染状況がありましたが、有志生徒で構成された明星祭実行委員会のメンバーは、生徒会顧問中野先生と共に、この状況下でできる最高の文化祭を目指し、長い準備期間を経て当日を迎えました。

準備の日とした木曜日、昨年以上にパワーアップされたオンライン企画から明星祭は始まりました。それぞれの学年やクラスから出された動画では、身近な友人らの登場に、たびたび教室から大きな歓声が聞こえました。また育友会の方々から提供していただいた動画は、役員の方々による運動会を模した作品となっており、これまた楽しい内容で、生徒たちにも大好評だったように思います。

 

金曜日、土曜日は舞台演技鑑賞と展示発表、そして飲食なしの模擬店が、密を避けるための対策を講じて開かれました。模擬店は各クラス趣向を凝らした企画となっており、例年と変わらない楽しさがあったように思います。展示発表はチャペルホールでまとめて行われ、絵画、写真、書道、生け花など芸術作品が多数並べられました。制作にかける時間も少なかったのではないかと心配もしましたが、見応えのある作品も多く、ゆっくりと楽しむことができました。

 

舞台ではステージ両サイドに実況映像が大きく映し出され、後席からでもしっかりと舞台を楽しむ工夫がなされていました。ここではオンライン授業用の機材なども活用されており、複数台のカメラを切り替えながら、玄人裸足の臨場感溢れる映像を映し出してくれました。放送部はこれらの操作や幕間のMC、校内放送も担当し、明星祭全体のナビゲーターとして頑張ってくれました。

 

舞台演技では、軽音楽部、コーラス部、演劇部、伝統文化部箏曲、バトントワリング部、ダンス部、チアリーディング部、吹奏楽部の順で発表を行いました。

軽音楽部は大人数のクラブならでは苦労もあると思いますが、毎回セットメニューを変えながら多くの部員が出演していました。人気曲を中心に、トップバッターとしてステージを盛り上げてくれました。

コーラス部は、一転ゆったりした曲調の本格的な合唱曲を中心に取り組んで、心洗われる歌声を聴かせてくれました。ハーモニーを重ねることも難しい今、響いたコーラスに元気をもらった思いでした。

演劇部のちょっと不可解な設定から始まる演目は、最後まで目が離せませんでした。怒濤の台詞の応酬に練習量を見た思いです。(翌日曜日はまったく異なる内容で県大会に出場していました。観劇に行かせてもらいましたが、これも素晴らしかった!)

伝統文化部箏曲は現代的な曲に挑戦しており、最後まで飽きさせない構成にしていました。男子部員の裃姿も格好良かったです。

バトントワリング部は、部として最後のステージ発表となりましたが、4人のメンバーの伸びやかな演技は心に残りました。衣装もとても美しく、ステージに映えていました。

ダンス部は50人弱の部員による圧巻のステージでした。次々と曲が変わり、演者が交代していくテンポの速い構成に、見ている私たちの心も踊りました。

チアリーディング部の中学生・高校生がともに作り上げる演技は、元気たっぷりで楽しく見ることができました。アクロバティックな演技はハラハラ・ドキドキが付きものですが、最上段に上がったトップを担当する部員がガッツポーズをするたびに、満場の拍手が送られていたのが印象的でした。

最後の吹奏楽部はもっとも大所帯のクラブですが、安心して最後まで楽しむことができました。SEKAI NO OWARIメドレーを聴きながら、歌詞を口ずさんでいた人も多かったことでしょう。

 

今回の明星祭テーマは「群星(ぐんせい)」という言葉でした。実行委員長の川嶋くんは、このテーマ設定について、星は間隔を開けて輝き、満天の空を作ります、それはコロナ禍の私たちがソーシャルディスタンスを取りつつも互いに輝いていたいという思いに重なるのです、と事前に説明してくれました。「緊急事態宣言だ」、「自粛だ」と暗闇の中に置かれたようにしか感じることのできないこともあったけれど、それでも私たちの輝きを今、この時の啓明にしっかりと刻みたいのだ、という大変な意気込みを感じたのを覚えています。

 

今の生徒たちがどれほどコロナに翻弄されてきたかと考えると、胸詰まる思いを抱くものです。しかし今回、この明星祭において生徒一人一人が織りなした群星の明かりは、満天の星空のように優しく、この世を照らす希望の光となったのではないでしょうか。何より私自身が力と励ましを大いに与えられました。2021年度の明星祭も素晴らしかった!と私は声を大にして叫びたい思いです。

 

生徒の皆さん、実行委員の皆さん、明星祭お疲れ様、そして本当にありがとう。

 

 

 

明星祭実行委員とともに

 

 

指宿 力