KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

「明星祭」Re:Make

2022年11月19日

先週末の文化祭「明星祭」は保護者の方々はもちろんのこと、学校見学の方々や卒業生などにもお越しいただき、3年ぶりで大変賑やかに実施することができました。

まだまだ配慮を必要とする中での開催でしたので、食品の提供や入場可能な場所の制限などの感染症対策を行いました。ご来校になった方々にはご不便をおかけすることもあったと思いますが、主旨をご理解いただき、協力いただきましたことを本当に感謝しています。また、校内では一部の区間で通行規制も行いましたが、混雑緩和のための安全を第一とする取り組みとしてご協力いただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

今年度は準備の日、そして生徒の日(舞台演技鑑賞日)、一般の日(公開日)の3日間の実施となりました。いずれも秋晴れの気持ちよい天候のもと行うことができました。

 

準備の日には、展示鑑賞として各クラスや学年で作成したPR動画などをホームルーム教室で視聴しました。どの動画も工夫を凝らした内容で、大いに楽しむことができました。素材集めから編集など、大変な労作の成果だと思います。非常にクオリティの高い作品もあり、刺激を受けた生徒も多かったのではないでしょうか。

 

生徒の舞台演技鑑賞日は、全校生でステージ鑑賞を行いました。

放送部と文芸部合作のビデオ上映から始まり、伝統文化部箏曲のお琴の演奏、演劇部のコミカルな要素も多い楽しい演劇、流行のビートが続いたアグレッシブな軽音楽部の演奏、学年ごとの演技など工夫も凝らしたダンス部のパフォーマンス、大所帯ならではの構成とソロもたくさんあった吹奏楽部の演奏が披露され、十分な見応えを感じる半日でした。またコーラス部は落ち着いた雰囲気のハーモニーを重ねる中、男性部員のみでの曲もあり、啓明の新しい歴史が開いた思いに駆られました。

 

一般の日には、各クラスで準備をしてきた模擬店が開かれ、生徒たちの様々な展示発表も披露されました。それに加え、金星会(同窓会)や育友会の皆さんのホスピタリティ溢れる楽しい企画、そして「お父さんの店」と題した模擬店などが明星祭をいっそう盛りたててくださいました。いつもは前島キャンプで指導してくださっている陶芸家の大石橋先生とお弟子さんによる陶芸体験コーナーも人気を集めていました。

また、ソロプチミスト六甲の皆さんにもお越しいただき、認定してくださっているSクラブの活動として、安全で美味しいリンゴを販売していただきました。早々に完売してしまいましたが、今後も様々な活動をお支えいただきたいと願っています。

いつも本校生徒たちの美術作品を店内に展示してくださっている近隣のスーパー、ヤマダストアーさんが今回の文化祭のためにたくさんの物品を寄贈してくださいました。それを模擬店で販売させていただきました。ヤマダストアーさんは、持続可能な最高品質の自然食品・オーガニック製品の販売を目指していらっしゃいます。その考え方や取り組みを私たちは学ばせていただいていますが、こうして本校の教育に共感してくださる中でのご協力に、本当に感謝しています。

 

 

フライドポテトの店(食材提供:ヤマダストアー)

 

 

晴天に恵まれたグラウンドでのチアリーディング部の演技は、精度の高い技を何度も披露し、集まった大勢の人たちの心をがっちり掴んでいたように思います。

他にもさまざまな企画が立てられていました。生徒たちはもとより、お越しになった方々にも十分楽しんでいただける文化祭だったのではなかったでしょうか。

 

このような文化祭を実現するのに大きな役割を担ったのが「明星祭実行委員会」です。生徒会も含めた総勢80名ほどの組織です。今年は高校3年生の林さんを長とした大所帯で、計画から当日の進行など、すべてに渡って生徒主体で企画し、実行してくれました。計画を始めた頃は、まだまだ多くの方々にお越しいただくには心配ごとが多い状況だったこともあり、慎重な企画を立ててくれていましたが、少しずつ計画を変更しながら原案を固めてくれました。

 

いつもならば前年の経験をもとにできることも、今年はいろいろなことを一から作らねばならなかったはずです。知恵を絞り、議論を重ねながら、今の状況に見合った、自分たちらしい「明星祭」に作り上げてくれたことに深く感謝しています。多くの労を重ねてくれた、彼ら彼女らの思いに適う「明星祭」は、これまで以上に啓明らしい良さが、そこここに溢れていたことと思います。次年度へ多くの引継ぎもあるでしょうが、実行委員一人一人に「ありがとう、お疲れ様!」と、まずはねぎらいの言葉を贈りたいと思います。

 

そして、こうした「明星祭」が実施できたことを感謝するとともに、これからも啓明らしい行事や日々の歩みをなしていくことができるよう、私たち教職員も生徒たちと思いを合わせ歩んでいきたいと願うものでもあります。そのためにも、啓明がどのような学校であるのかを互いに心の深いところに留め、大切にしていることをぶらすことなく、すべてのことの中心に置かねばならないと思いました。

 

実行委員会から示された今年の文化祭テーマは “Re:make” でした。

かつての良さを活かしつつ、新しく紡ぎ直そうと取り組んだ今年の「明星祭」が、参加してくださったお一人お一人の心に残る、良き文化祭であったことを願います。生徒たちの “Re:make” への取り組みは、私たち教職員にとっても大きな力を与えてくれる頼もしいものでした。コロナ禍で途切れたものの、綿々と続いてきたこれまでの歩みを再編し、よりよいものに作り替えていこうとする生徒たちの活動が、こうして大きな希望を与えてくれることに感謝します。私たちも変えてはならないものは変わらず守り続け、“Re:make” すべきものにはどんどん挑戦していこうとする、しなやかな心を持ちたいと思います。

そのような思いに満たされながら、続く今年度の歩みも、啓明らしさを守りながら、生徒たちと共に進めていきたいと願っています。

 

 

指宿 力