新年明けましておめでとうございます。

新しい年の訪れを共に喜びたいと思います。2023年も生徒の皆さん、教職員の皆さん、一人一人にとって良き年となることを心より祈っています。

今日の始業式は、チャペルに中学生のみが入堂し、高校生は教室で(映像を中継して)行っています。このように全校での式典を通して、一人一人が啓明学院の生徒であるという意識を共有し、誇りある学校生活を過ごしてほしいと願っています。

 

間もなく中学入試が、来月には高校入試が行われます。よく分かっていると思いますが、受験生にとって在校生である皆さんは、憧れの対象です。この校舎で、授業を受けたり、行事に取り組んだりしてみたいと受験生は願っているのです。

かつて受験生であった皆さんにとって、その思いは十分に理解できることでしょう。受験生の憧れる思いに叶う、啓明生がいなければ、受験生をがっかりさせるだけです。皆さん自身が自分に与えられた力をしっかりと活かし、成長していこうとする前向きな姿勢こそ、よりよき学校生活の原動力です。そして自分のためだけではなく、困難や悩みを抱える他者のために、自分の力や時間やもっているものを使おうとすることが、啓明生のあるべき姿といえるでしょう。

この冬は、新型コロナウィルスやインフルエンザなどの流行が続いています。皆さん自身もたかをくくることなく、気持ちを引き締めて、感染症対策を継続してください。一人一人の心がけが何より大事です。どうぞよろしくお願いします。

 

さて、2023年は、啓明学院創立100周年を迎える年となります。創立記念日の10月18日には、お祝いの式典を計画しています。皆さんと共にその日を迎えられることを楽しみにしています。学校行事などで、さまざまな100周年イベントを2月以降に予定しています。

ゲストに来ていただくこともふくめて、面白そうな企画を、先生方や育友会、金星会の方々が協力して進めています。皆さんも、生徒会が中心となって、いろいろと考えてくれていることと思います。何か新しいアイデアがあれば、ぜひ遠慮なく相談してください。直接、校長室に来てくれてもいいのです。待っていますね。

今日は、創立100周年を啓発するビデオを披露したいと思います。

 

これは高校2年生の大島杏奈さんが制作してくれたものです。2分弱の短い動画です。

 

・・・動画上映・・・

 

正門にある100周年看板も映っていました。皆さんの日常生活一つ一つが重なっていく、その歩みを象徴するような動画のように思います。音楽や字幕も入れた労作です。大島さん、どうもありがとう。

これに続く動画を期待していますので、「作ってみたいな」という人は、相談に来てください。

 

いま観てもらった動画では、シャキーラの「TRY EVERYTHING」という曲が使われていました。字幕も入っていたので、だいたいの歌詞が分かったという人もいたでしょう。私が初めてこの動画を観たとき、「啓明生にぴったりの曲だな」と思ったことを覚えています。

この曲は、ディズニー映画「ズートピア」の主題歌だったそうです。曲を通して伝えられるポジティブなメッセージは、まさに皆さん一人ひとりへの応援歌でもあるように思います。

 

『失敗しちゃった、でもあきらめないで、もう一回、始めよう』

 

歌詞の中で、そう繰り返しています。タイトルの「TRY EVERYTHING」は直訳すれば「すべてを試す」、意訳すれば「何でもやったるで～」といったところでしょうか。失敗や思い通りにいかないことにめげそうになっても、顔を上げて前進しようとする、そんなポジティブさに溢れている曲です。

 

 

啓明学院のスローガンの一つは、もちろんチャレンジです。今年も、チャレンジすることが、一人一人の学校生活に溢れるよう願っています。チャレンジとは、限界を越えようとすることであり、周到な準備や鍛錬の積み重ねを経て挑むものでもあります。

「こうなりたい」、「こうしたい」と願って挑戦するものの、チャレンジの成果はいつも、いつも自分の望むものになるとは限りません。しかし、そのチャレンジの先に、今まで知らなかった世界の広がりを知ったり、自分でも気づかなかった自分自身の内面を発見したりするものです。そこにチャレンジの価値や意味があるわけです。

チャレンジには失敗もつきものです。その失敗から、意味深い学びを得たことを、あとで気がつくことが多いように思います。失敗を恐れて一歩踏み出さなかったり、他の人の目を気にして臆病になってしまえば、その失敗が与えてくれる学びすら手にすることができないのです。

「啓明学院は安心して失敗できる学校である」と、私はしばしば言います。これは、自分を大きく成長させる歩みを、生徒自身が積極的につかみ取ろうとする校風を、皆さんとともに大切にしていきたいからです。「失敗を恐れない、たとえ失敗しても何度でもチャレンジしていこうとする」啓明生の伝統を、皆さんにしっかり継承してほしいからです。

 

新しい年である2023年、そして、それぞれの学年の締めくくりにあたる3学期が始まりました。皆さん一人一人が「TRY EVERYTHING」、「なんでもやったるで！」の気持ちを持って、自分の可能性を大いに深め、広げていってほしいと願っています。良い歩みを期待します。頑張りましょう。

 

 

指宿　力