校長コラム

「学校行事」を行うということは

2020年10月12日

今年度は新型コロナウイルス感染防止対策のため、5月末までの休校を余儀なくされるとともに、これまでほとんどの学校行事や育友会活動を中止、もしくは延期せざるを得ませんでした。このため1学期の体育祭や高校合唱コンクールを開催することも適わず、高校2年生の修学旅行もマレーシア・シンガポール行きは早々に中止いたしました。さらに代替の沖縄・石垣島行きも県独自の非常事態宣言が発出され、延期を決定せざるを得ませんでした。このような事態は本校だけでなく、世界的なものであり、今年の学校生活を覆う、厳しい現実であります。
そのような中、6月以降、段階的に学校を再開し、感染症対策を講じた学校運営を続けており、在校生のご家庭でも十分に気をつけて過ごしていただいている現状から、出来うることを配慮と知恵を持って行うことも大切であると考え、先日、中学校・高校では校外学習(高校2年生のみ学年運動会)を実施し、中学3年生は広島・長崎への修学旅行に行かせていただきました。
当然、様々な感染症対策が必要でしたし、宿泊に関しては旅行業界が出している厳しいガイドラインに即したものとなりました。中学3年生の修学旅行では、毎年行っている広島女学院の生徒さんたちとの平和記念公園での碑めぐりが出来ないなど、いつもとは違った形となりましたが、それぞれに深い学びを得ながら、楽しく良い経験を積むことが出来たようです。
11月の明星祭(中高合同文化祭)は一般公開を行わない形で計画していますが、これに向けて有志生徒による実行委員会のメンバーが主体となって、安心・安全を第一にした企画を練ってくれています。生徒たちが行事の実施に向けて一生懸命取り組んでくれている姿には、本当に頼もしさを感じるところです。
学校における行事とは、思い出に残る、本当に楽しいものではありますが、我々教員にとっては、普段の学校生活以上に生徒たちがグンと成長することにしばしば直面する機会でもあります。主体的に動こうとするにはチームワークやリーダーシップが必要になります。どうすれば自己満足ではない、よいパフォーマンスが出来るだろうか、お金の使い方はどうしたらよいかなどを考えることは、普段の生活では出来ないことです。そして一番求められることは、啓明生らしく取り組めるかどうかということではないでしょうか。学校行事は、本校が大切にしていることを振り返り、その意味をつかみ直す機会ともなります。そのような経験を通して、これまでも多くの生徒たちが大きな成長を見せてくれたものです。
先日、中学3年生が修学旅行を終えるとき、新神戸駅で生徒たちを出迎えましたが、その時の整列の仕方や態度について非常に感心しました。それは自主的でテキパキとした気持ちの良い行動が見られたからですが、数日前に同じ場所で行った出発式で見た姿とは随分違っていました。そこには教師に言われてするのではなく、自分たちの修学旅行を最後まで大切にしようとする共通の意識を感じたのです。そして、それは自分自身の人生を丁寧に生きようとする姿勢にも繋がるように思いました。まさに修学旅行での成長を実感した瞬間でした。
生徒たちの成長は生徒たち自身のものです。今後も状況を注視しながら、生徒たちの大きな成長のチャンスである行事やキャンプなども出来る範囲の中で丁寧に行っていきたいと考えています。そして生徒たちの活き活きとした実りある学校生活がこの年も行えるよう、我々教員も思いを合わせて共に歩みたいと願っています。

  指宿 力