KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

規矩を持つ

2024年4月11日

始業式のメッセージ

 

いよいよ4月となり、新学期が始まりました。すでに入学式が行われ、ピカピカの新しい中高の1年生と中学の編入生が加わり、啓明学院は中学499名、高校739名、合わせて1238名が在籍する学校となりました。また多井畑にある啓明寮には4名の入寮生があり、8名の生徒たちが暮らし始めています。

新しい学校、新しい学年、新しい環境での生活が始まる中、どんな1年にしようか、心弾ませている皆さんだと思いますが、心残りを作ることなく、誠実で前向きな、啓明生らしいチャレンジ精神を携えた学校生活に取り組んでほしいと願っています。

 

 

私も今年、校長5年目を迎えますが、しっかりと学ぶことや体を動かすことも継続し、与えられた責務を果たしていきたいと考えています。皆さんの声にも耳を傾けていきたいと考えていますので、何か相談がある場合はもちろん、時間のある時に校長室をぜひ覗いてみてください。歓迎します。

 

今日から来週末まで、アメリカ、ワシントン州シアトルにあるU-Prep スクールから来校した先生方、生徒たちが滞在します。昨年春に啓明生がシアトルで素晴らしい経験をしてきましたが、今年は啓明の番です。すでに昨夜遅くに神戸に到着し、ホストファミリーの家での生活を始めていますが、ホストの皆さんはもちろん、啓明に来て良かった、と思っていただけるよう、皆で心を尽くしてお迎えしましょう。

 

 

さて、3月19日、終業式の日に福島県の学法石川高校の野球応援のため、吹奏楽部、チアリーディング部、そして希望してくれた生徒たちと甲子園球場に行ってきました。少し肌寒い日でしたが、途中まで互いの投手が素晴らしく、非常に拮抗した試合でした。最後は相手の打線がよく繋がり、残念ながら初戦敗退となりました。相手チームの健大高崎高校はそのままの勢いで優勝しましたので、学法石川も大変強いチームだったのでしょう。今後もよい繋がりを結ぶことができればと願っています。

 

 

NHKの試合中継では学校紹介も放送されました。私は録画で見たのですが、その中で、学法石川高校で大切にしているという言葉が紹介されていました。それは「終わりを考えてから始める」という言葉です。

私はこの言葉がとても心に留まり、今日、いよいよ新しい学校生活を始めようとする皆さんとも是非共有したいと思いました。何かを始めるときに、どのような終わりを迎えたいか、と考えることはとても大事なことだからです。

 

例えば、私もよく料理をするのですが、料理の完成とともに、できるだけ台所が片付いているように心がけています。そうすると気持ちもいいし、後片付けが楽なのです。そのために、始める前に段取りを考え、順序よくやることが必要ですが、これは皆さんの学校生活でも同じでしょう。

 

皆さんも新しい年度を迎えるにあたり、今年はあんなことをしたい、これに挑戦してみよう、こんな自分になろう、などと自分なりに考えることはあるでしょう。だから今こそ、この学年が終わったときの自分がどうありたいと願うのか、卒業の時にどうありたいのか、是非しっかりと考えてみましょう。

 

終わりに向け、今の自分が何をするのか、ということはもちろん、何をしないか、ということも大切ですね。これをする、と言うプラスすることも大切ですが、これをしない、というマイナスも、無駄を省いたり、我慢をすることにもつながるでしょう。そういったことに丁寧に取り組むことが、目標達成には欠かせないはずです。

 

どんな自分になって終わりを迎えようかと考えることで、毎日の過ごし方が変わってきますね。目指す終わり方を迎えることができるように、どうぞ今日から1日の尊さを心に留め、日々を大切に過ごしてほしいと願います。

 

そして「終わりを考えてから始める」このような言葉を自分の心に刻み、生き方の指針にすることはとても大事なことです。それが「規矩」を持つと言うことです。これは何度か話しをしていることですが、「規矩」とは目指す方向を示すお手本の意味があります。皆さんにも是非、そんな言葉を自分の生きるものさし、自分自身の軸になる規矩を心に携えてほしいのです。それは時に私たちを励まし、力づけたり勇気づけたりしてくれるものになるはずです。

それはきっと自分が何かをする時にも、しないでいようと思うときにも、皆さん自身を正しく導いてくれるものになるはずです。私には、他にも聖書の言葉を含め、いくつか心に刻んでいる言葉がありますが、この「終わりを考えてから始める」も大切にしていこうと思います。

 

いよいよ2024年度が始まりました。この年、皆さん一人一人が心にチャレンジの火をともし、これまでの先輩達と同様、啓明生として活き活きと何事にも前向きに取り組んでくれることを楽しみにしています。それはこの伝統の継承者としての歩みです。

今の自分が一歩を踏み出さなければ何も始まりません。他の誰でもない、唯一無二の自分として、心に確かな規矩を持ち、そして何より神様と人に愛される啓明生として、素晴らしい1年を始めましょう。皆さん一人一人の活躍を期待しています!

 

指宿 力