KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

『人 皆に美しき種子あり  明日 何が咲くか』

2021年1月22日

この状況下、面接を行わないなど例年と異なる形とはなりましたが、今年度の中学入試も無事終了することが出来ました。受験してくださった小学生とそのご家庭に本当に感謝すると共に、在校生にはかつて自分が目指した思いを忘れることなく、受験生の憧れに足る啓明生として、日々を充実させて学校生活に励んで欲しいと願います。

 

さて、年末年始にテレビ中継のあったいくつかのスポーツの試合で、卒業生の活躍を観ることが出来ました。そもそもスポーツ観戦は楽しいものですが、特に卒業生が出場している試合はとてもワクワクしますし、テレビ中継の際、活躍した選手名が紹介され、出身校として本校の名前が出る度に嬉しくなるものです。

関西学院大学のアメリカンフットボール部は学生チャンピオンとなり、社会人との日本一決定戦ライスボウル出場を果たしましたが、キャプテンの鶴留輝斗くんを始め、多くの卒業生が出場の機会を与えられ、頑張っていました。

また啓明学院中学校卒業後、ラグビー強豪校の東福岡高校に進んだ古賀由教くんは、その後、進学した早稲田大学でも二年生の時からレギュラーとして出場し続けていました。最後の試合となった1月11日の大学選手権で優勝を飾ることは出来ませんでしたが、強い気持ちを持ち続けてプレーする彼の姿に、私はいつも胸を熱くしながら応援していました。

去年はコロナの影響で無観客となる大会が多い中、その分、普段観ることが難しかった試合もネット中継などで放映されていましたので、関東の大学に進学した卒業生の試合を観ることが出来たことは嬉しいことでした。

大学生ではありませんが、本校在学中、ヴィッセル神戸で当時の最年少ゴール(17歳11か月1日)を記録した松村亮くんが現在所属している海外のチーム(タイ:チェンマイFC)での活躍が特集された動画も拝見しましたが、あとに続く後輩たちに憧れの姿を見せてくれています。

去年はなかなか試合会場へ足を運ぶことで出来なかったのですが、会場に行くと出場している選手だけではなく、チームスタッフとして貢献する卒業生の姿も目にすることが出来ます。これまでも大学アメリカンフットボール部主務としてひときわ大きな声でチームを牽引していた鈴木裕章くんがテレビで特集されることがありましたが、そんな卒業生の姿は本当に頼もしく映ります。そして、なかなか試合中継には映らない姿を見ることが出来るという意味でも会場で観戦することは本当に楽しいものです。

 

華々しい活躍をする者もいれば、それを演出し、支える者がいることはどの世界でも同じです。それぞれが尊い働きであり、なくてはならないものでしょう。時には自分が思い描いていた場所ではないところに置かれたと思うことがあるかもしれませんが、やはり大切なのは、そこでどのように生きるのか、ということでもあるでしょう。自分の役割を一生懸命果たしている彼ら、彼女らの姿も本当に美しく、尊いと感じます。

私は高校時代、通っていた学校の先生から、教育者であり詩人である安積徳也さんの「明日」という詩に何度も向き合わされました。君はどう生きようとしているのか、と問われ続け、今の学校生活をより良いものとしようとすることが、未来の自分を作るのだ、と繰り返し諭されたことを思い出します。

どのようなところにも実りは与えられる、その実りの種であるあなた自身は、本当に美しく、尊いのだよ、だから、自分自身が明日、何を咲かせるのか希望を持って歩みなさい。そう語りかけるこの詩から自分自身を肯定する思いが与えられ、今も励まされ続けています。年頭のコラムに当たり、この詩を紹介させていただきます。今年も生徒たち一人一人がどのような歩みを見せてくれるのか、本当に楽しみにしています。

 

 

「 明日 」

安積徳也

 

はきだめにえんど豆咲き

 

泥池から蓮の花が育つ

 

人皆に美しき種子あり

 

明日何が咲くか

 

指宿 力

 

写真左より
指宿校長、松本大輝君(関西学院大学サッカー部主務)、鶴留輝斗君(関西学院大学アメリカンフットボール部 Fighters 主将)、櫻間副校長、平川トレーナー