KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

その他

いのちの森づくり・東日本大震災からまもなく10年

2021年2月23日

啓明学院のキャンパスの周囲を広葉樹が囲んでいます。

 

 

西門からキャンパスの北側(横尾の交差点、「赤い道」)の道路沿いに、広葉樹の回廊が伸びています。これは2011年に、当時の高校3年生(第6回生)と教職員が植樹したものです。

2月初旬、第6回生の卒業講演に、宮脇 昭先生(横浜国立大学名誉教授、生態学)をお招きして、「いのちの森づくり」のお話を聴かせていただきました。宮脇先生は「杉や檜などの針葉樹ではなくて、その地域に適した広葉樹の混合林を植えましょう。鳥や小動物が増え、豊かな生態系を取り戻せますよ。いのちの森は、地震や火事に備えた防災林の役割も果たせるのですよ。」とおっしゃいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        

 

その1ヶ月後の3月11日、14時46分。巨大地震が東北地方を襲いました。そして、津波が沿岸各地を飲み込みました。死者1万5899人、行方不明者2529人(警察庁発表、日経新聞2020年3月11日)、のちに東北太平洋沖地震と名付けられたこの地震は、東北から関東にかけて甚大な被害をもたらしました。高校の卒業式を終えて、大学入学式を待ち望んでいた第6回生にとっては、忘れられない植樹となりました。

東日本大震災の翌年、2回目の植樹を第7回生が行う頃には、宮脇先生の「いのちの森プロジェクト」は「コンクリートではなく、緑の防波堤をつくるプロジェクト」として全国的に注目を集めるようになっていました。

 

当時、高さ30cmほどだった苗が、10年を経て、3mの高さに育っています。キャンパスの内外では、鳥のさえずりが聞こえるようになりました。周囲の道路沿いには木陰ができ、散歩をする人々に安らぎを与えています。また、放課後に中学生が行う「かけ足」では、気温の上昇が抑えられているのを感じます。※

 

この「いのちの森」のように、啓明学院の卒業生が「地の塩、世の光」となることを願っています。

 

 

※「かけ足」2020年4月以降、キャンパス外周を走ることを休止しています。