KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

今日の学校

「学術研究」 (高2・3)

2021年6月24日

6月23日(水) 高校2年生、3年生 「学術研究」の授業の様子です。

 

 

〇高校2年生 『永遠平和のために』(カント)を読むグループ

来週、テキスト『永遠平和のために』の内容について35分間のプレゼンテーションをするために、文献を調べています。

 

 

 

 

 

〇高校3年生

個人研究テーマに沿って、文献を読み、レポートの原稿を作成中です。

11月中旬までには12,000字程度のレポートに仕上げます。

 

複数の文献をに入れて、比べ読みしています。仲間に相談しています。

 

英語の文献を探しているグループ。

 

B6サイズのカードにメモをとっています。

 

 

メモの目標枚数は30~50枚。さて何枚たまったかな?

 

 

メモをワープロで入力しています。

 

 

 

「学術研究」とは、こんな授業です。

2年生は、20のグループに分かれて、テキストとなる文献を1年間かけてじっくり読んでいきます(分析読書)。1グループ15人程度で編成されています。

本文の内容の要約、用語や概念の解説、議論、発表などが行われます。

 

【グループ一覧 今年度の2年生】

A.人文科学

『永遠平和のために』を読む

『武士道』を読む

『文明の生態史観』を読む

『流転の王妃の昭和史』を読む

『今日の芸術』を読む

『音楽史ほんとうの話』を読む

『オペラでわかるヨーロッパ史』を読む

『人種とスポーツ―黒人は本当に「速く」「強い」のか』を読む

『スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム』を読む

『フットボールの文化史』を読む

『語彙力を鍛える』を読む

『ビギナーズ・クラシックス 百人一首(全)』を読む

『ビギナーズ・クラシックス 今昔物語集』を読む

 

 B社会科学

『これからの「正義」の話をしよう』を読む

『黒人差別とアメリカ公民権運動』を読む

『The Tipping Point』を読む

『西太平洋の遠洋航海者』を読む

 

C自然科学

『中学生からの大学講義3 科学は未来をひらく』を読む

『数学物語』を読む

『はじめて学ぶ生命倫理』を読む

 

3年生では、個人研究のテーマを設定して、複数の文献を読み(比較読書)、「学術研究」レポートを作成します。所属するグループは2年生の時と同じです。文献検索、指導教員との面談、グループ内での意見交換、中間報告、原稿の相互チェック、議論、発表などが行われます。

 

 

グループ一覧 今年度の3年生

A.人文科学

『The 7 Habits of Highly Effective People』を読む

『文明の生態史観』を読む

『ガンジー自伝』を読む

『音楽入門』を読む

『音楽史ほんとうの話』を読む

『人種とスポーツ―黒人は本当に「速く」「強い」のか』を読む

『スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム』を読む

『物語のレッスン 読むための準備体操』を読む

『ビギナーズ・クラシックス 百人一首(全)』を読む

『ビギナーズ・クラシックス 今昔物語集』を読む

『夜と霧』を読む

『The Hobbit』を読む

 

B.社会科学

『入門 経済思想史 世俗の思想家たち』を読む

 

C自然科学

『中学生からの大学講義3 科学は未来をひらく』を読む

『零の発見 数学の生い立ち』を読む

『はじめて学ぶ生命倫理』を読む

 

 

スーパーグローバルハイスクール(SGH:文科省指定、本学院の指定は2015〜2019年度)時代のことです。毎年、全国123校が集まって、課題研究発表会が行われていました。多くのSGH指定校では、研究レポートに取り組む期間が半年から1年間でした。啓明学院のように2年間もかけて、じっくりと探究する高校はとても珍しかったのです。

疑問を持つ、あらゆる角度から調べる、仲間と議論する、もう一度考える、先生の助言を参考にする、文章に書き起こしてみる。このようなプロセスは、コンピュータや情報ネットワークが発達した現代には、省かれてしまいがちです。楽をしようとすれば、インターネットで検索して、情報をコピーペーストしてレポートにしてしまうこともできます。しかし、これではいつまで経っても、自分の外部にある情報はそのままで、自分の思考に深まっていきません。わかったつもりで、本当の理解とは程遠いものです。

啓明学院高校が探究的な学習に時間をかける理由がここにあります。高等教育を受けるにふさわしい学力とは、幅広い教養に加えて、自学自習つまり探究する力に他ならないからです。