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今日の学校

卒業講演 宮田 夏実さん(デフサッカー日本代表キャプテン)(高3)

2022年2月5日

2月3日(木) 高校3年生を対象とした卒業講演会がチャペルで開かれました。

講師の宮田 夏実さんは、啓明学院高校を2016年に卒業、関西学院大学へ進学、現在はデフサッカーとデフフットサルの日本代表で活躍中です。デフサッカーでは日本代表のキャプテンを務めています。デフとは耳が聞こえない人のことを指します。

 

宮田さんには先天性の聴覚障害があります。幼少期は聾学校に、小・中学校は地元の公立校に通いました。中学時代に出会ったデフサッカーとその仲間から大きな刺激を受け、女子サッカー部のある啓明学院高校に入学しました。高校時代はサッカーに打ち込み、2013年デフリンピック(聴覚障害者のためのオリンピック)に日本代表として出場しました。関西学院大学へ進学後は、体育会サッカー部でプレーしました。卒業後、シスメックス株式会社に就職しました。昨年11月、サッカーに打ち込める環境を求めて、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーへ転職しました。

現在は、5月にブラジルで行われるデフリンピックに向けて準備を進めています。

 

〇講演の要旨

 

・幼少期に聾学校に通い、ご両親の支えと厳しい訓練によって、口話(口の動きを読み取りながらコミュニケーションをとること)と手話をマスターしたこと。

 

・小・中学校に通うようになって、自分が障害者だということを意識させられたこと。

 

・中学時代にサッカーと仲間によって大きな刺激を受けたこと。「みんなと繋がっている」「生きている」という実感。

 

・女子サッカー部のある啓明学院高校を受験し、合格。友達との交流によって、自分に障害があるということを前向きに受け入れられるようになったこと。

 

・連携プレーがうまくいかず退部を申し出たときに、「聴覚障害のことは夏実個人の問題ではなく、チーム全体の問題として乗り越えたい」と言ってくれたチームメイトに救われたこと。

 

・高校2年生のときに、先生にチャレンジを後押しされて参加した英国国際交流研修のこと。「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい、そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」(新約聖書 マタイによる福音書7章7節~8節)

 

・啓明学院は、だれかのチャレンジを応援し、自分のチャレンジを応援してくれる関係性の中で、お互いを高め合える学校だと思うこと。

 

・大学時代、日本一を目指す体育会サッカー部で、サッカー以外のことにも目を向ける経験をしたこと。そして商学部でマーケティングを学んだこと。

 

・自分の人生は恵まれた環境があったことに気づいたこと。

 

・「変えることのできない運命を嘆くのではなく、変えられる運命を良くしようと努力できる人間になりなさい。」須永努先生(関西学院大学商学部教授)の言葉。

 

・皆さんには、恵まれた環境を最大限に活用し、まずは身近な人のために使ってほしいこと。