KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

今日の学校

Book Review 本の窓

2023年3月28日

「Book Review 本の窓」では、啓明学院で読まれている本、推薦されている本の紹介をしていきます。

2022年度3学期、中学3年生が国語の授業で「読んでもらいたい小説」紹介コンテストを行いました。

一人ひとりが本の紹介文を作成し、クラスごとに投票し、各クラスのベスト3を決めました。

ここに紹介する『二番目の悪者』 (林 木林、小さい書房、2014年)は、あるクラスで1位に選ばれた作品です。

次の推薦文は、和氣 映美里さんによるものです。

 

金色のたてがみをもっているライオンは、自分こそがこの国の王にふさわしいと思っていた。

しかし、街では待ちはずれにいる、心のやさしく強いライオンが、次の王様候補に上がっていた。

金のライオンが噂を聞き、街外れに行くと、銀色のたてがみのライオンが、雨が降り続く中フクロウのおばさんの家を修理していた。別の日も小鳥を助けているのを見た。

金のライオンは、銀のライオンが次の王様になるのではと気が気でなかった。

そこで、金のライオンは、銀のライオンのありもしない悪い噂を流しはじめた。街の動物も段々と信じて、噂は尾ひれをつけて一人歩きしていた。

のちに、王は金のライオンに決まったが、国は荒れ果てていく。銀のライオンの噂も嘘であったと知れ渡っていく。

私はこの本を読み終わった後、『二番目の悪者』という題名の意味をあらためて考えさせられた。

悪いのは、最初に噂を広めた金のライオンか、事実を確認しないで噂を広めてしまった動物たちか。

ぜひ読んでみて、あなたにも誰かを考えてみてほしい。