KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

今日の学校

「新しい命」 院長メッセージ

2023年4月6日

1学期始業式のメッセージ

 

皆さん、おはようございます。院長の辻です。

私たちの啓明学院は、中学校に169人の1年生、そして高校には新しく加わった88人を含む253人の1年生を迎えて、今日から2023年度の歩みを始めようとしています。

 

啓明学院は今年創立100年を迎えます。啓明は、キリスト教を土台にして100年の間続いてきた学校ですが、4月には、キリスト教で最も古く、最も大事にされてきたお祭りがあるのを知っているでしょうか。イエス・キリストの復活を祝うイースター、復活祭ですね。イースターは移動祝日なので、日が固定されておらず、3月末と4月末の間で毎年動きますが、今年は4月9日の日曜日です。

 

十字架に架けられて死んだイエスが甦り、新しい命を受けて弟子たちの前に現れた。新約聖書に記されているこの物語から人々は、自分たちもまた、新しい自分に生まれ変わる、新しい命をもって、新しい毎日を生きていくということを読み取ってきました。イースターは春のお祭りですから、そこには、長い冬、寒くて暗い毎日が続く冬の日々が終わり、暖かくて明るい春がやってきたことの喜び、草木が芽生え、綺麗な花が咲き、命の息吹が感じられる季節になったことの嬉しい気持ちも込められています。しかし、何より大事なのは、私たちは皆、毎日新しい命を生きているということです。

 

私たちの体も毎日同じものではありません。体を作っている細胞の中には、生まれてから死ぬまで変わらないものもありますが、肌の細胞のように、割合頻繁に入れ替わるものもあります。したがって、昨日の私と今日の私は完全に同じではないのですが、しかし私たちの心もまた、毎日変わって新しくなっていきます。今日1日の経験が私を変えて、明日は新しい私として、新しい命で、新しい1日を生きるわけです。今日学校で身につけたことが、私を新しい人間にしてくれる。明日は、今日とは違う私として、また学校にやって来る。そのことを毎日感じ取りながら、この啓明学院での1日を過ごしてほしいと思っています。

 

私たちは毎日、新しい命で新しい1日を生きていく。それは、昨日がどんな日であっても、必ずやってくる1日です。鞭で打たれ、十字架に架けられ、ボロボロになって死んでいったイエスでさえ、日曜の朝早く、神さまから新しい命を与えられて甦ったという。そうであれば、私たちにもまた、辛いことや悲しいことで塞ぎ込んでしまっても、思うようにならず、行き詰まったような気持ちに襲われることがあっても、必ず新しい朝が来る。昨日の自分からちょっと変わって新しくなった私がそこにいる。朝ご飯を食べて、エネルギーを充電して、今日1日へと向かっていくことができる。自分は新しくなれる。それを信じることが、キリスト教の言う復活ということではないかと思います。

 

どうぞ毎日少しずつ新しい自分になって学校に来てください。そして啓明学院で1日を過ごして、心にも体にも、たくさんの刺激を受けてください。この1学期が終わった時に、また1年間が終わった時に、今日とは全然違う、成長した自分をきっと皆さんは感じることでしょう。私たちには毎日新しい命が与えられている、そのことを心に刻む時間として、礼拝の時を大事にしてくださることも、院長としては皆さんにお願いしておきたいと思います。皆さんの健康が守られ、今日1日が充実した日となるよう祈っています。

 

啓明学院院長 辻 学