KEIMEI GAKUIN TOPICS BLOG

校長コラム

救急車

2021年10月14日

啓明学院には現在中学生約500名、高校生約700名、合わせて約1200名が在籍しています。

この大人数の生徒たちが登校する学校ですので、毎日私たち教師は何よりも生徒の安全を第一に学校運営を行っていますし、とっさの時にも適切に対応できるよう養護教諭が作成する「学校保健安全マニュアル」を毎年更新してもらい、もしもの際に備えています。また、夏休み前には全教員がAED(自動体外式除細動器)の使用法を学びましたが、こうしたことも定期的に行い、安全管理への意識を高めることを継続的に行っています。

しかし、どんなに気をつけていても多くの人が活動する場所なので、本校でも思いも掛けないことが起こることがあり、年に数回、救急車をお願いすることもあります。

運動部のクラブ活動や試合中に起こる怪我などは、状況によっては私たちが動かさない方がよい場合もあるので救急車をお願いします。また生徒が急な体調の変化を訴えてきた時、神戸市では#7119において看護師の方による緊急医療相談が利用出来ますので、相談させていただく中で、救急要請を指示されることもあります。もちろん緊急の場合は躊躇なく判断しますが、こうして119番に電話をかけ、救急車の派遣を要請させていただくことが、時々起こります。
現在は新型コロナウイルス感染症対応で救急も、病院も大変な状況ですので、出来るかぎりそのような機会がないよう気をつけていますが、今年に入っても数度、救急車をお願いしています。

救急車にはそれぞれ所属の区と番号が記されていますが、要請したときに来ていただく救急車がけっこうな割合で同じであることに気がついていました。それは私が出勤時に前を通る消防署に置かれている救急車です。そのことに気がついてから毎朝感謝しながら、その消防署の前を通るようになりました。

啓明学院ではこれまで多くのボランティア活動を行っていましたが、このコロナ禍でなかなか外に出かけていくことが難しくなっていました。私たちにとってボランティア活動は啓明スピリットの実践の場でもありますが、実際は現場で育ててもらうことのほうが多い、生徒の成長の機会でもあります。そんなチャンスがなかなかないことは残念なことですが、先日、救急車の話を中学教頭の石川先生にお話しをした際、それなら是非、御礼のお手紙を書きたいですね、と言ってくれました。そして直近にお世話になった中学生にも打診をしたところ、自分も大変親切にしてもらったので一筆書きたいと言ってくれました。

コロナ禍において救急隊員の方々のお働きは更に激務になっており、そのような中で私たち学校の安全と健康をお支えいただいていることに感謝の念は尽きません。石川先生とその生徒はそのような思いを込めて、感謝の手紙を書いてくれました。

今後も出来るだけお世話になることは避けたくありますが、いざという時に私たちを助け、安心を与えてくださったり、救急処置をしてくださる方々がいて、何とかやれていることを思います。もちろんその先には実際の診察をしてくださるお医者さん達がいてくださり、看護師の方々がおられます。そのようなことも私たちは心に留めておきたいものです。

コロナ禍でも、私たちの歩みは継続しています。この歩みはこうして救急や医療関係の方々のお働きがあってこそ、安心して出来るものでもあります。なるべくお世話にならないように気をつけながらも、その存在に守られていることへの感謝の思いを共有する私たちでありたいと願います。それもまた今の時代、ボランティアスピリットを醸成する一つの形であるのかもしれないと思っています。

指宿 力